ワイヤーナーフ
11月10日の早朝、何の前触れもなく突如として3枚のカードのナーフが発表されました。
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その3枚に含まれていたうちの1枚がスタンダード環境で最も難しく、最も強いとされる【ワイヤーローグ】のコアカードである《締殺ワイヤー》です。デッキに混ぜる《流血》の枚数が3枚から2枚に変更されます。
ゲームデザイナーのGallon曰く「《流血》の枚数を減らすことで呪文ダメージ+2では30点削り切れないようにさせるためのナーフ」だそうです。(スーパー意訳)
スタンダード環境は触らないのでよく分からないのですが、このワイヤーのナーフの影響が大きく出そうなフォーマットの1つがデュエル環境の【スペルリリアン】です。
現環境でまともに使えるデッキがスペル軸しかないリリアンにとっては大打撃です。スペルの総ダメージ量が減ることで《鎧売り》や《積荷当番》、《アルドラキ・ウォーブレード》といったメジャーなカードの装甲付与及び回復に勝利を阻まれてしまうことが危惧されます。特に初戦と初期体力が40になってからの試合が難しそうです。
《大逆の刃キングスベイン》などの武器との混成構築では顔を殴ることでダメージソースを確保できますが、純正スペル構築では《必勝の切り札》で今以上にしっかりとダメージスペルを使いまわすことを意識することが必要になってきそうです。
色々杞憂を書き連ねましたが、悲しいことにリリアンはすでに底辺を這いずり回っているので立ち位置的には何も変わらなそうです。
有識者の皆さんのTierランクが物語っています。ウゥン…(ラトルゴア)
「デッドマイン」追加の報酬
バケット調査は趣味の範疇なので自分でやろうと思っていたのですが、リリース当日におふとん神が報酬セットとバケットを見つけてくださいました。ありがとうございます。
ブラックウォーター・カトラス
バケット:迅速なる襲撃
現在2通りの報酬が見つかっています。
左右両方の報酬が全て〈迅速なる襲撃バケット〉のみに属しているためバケット汚染を起こしません。これはバケゴミ (バケットがゴミカス)のリリアンにとってはとても重要かつ評価の高い点になります。
左の報酬に関してはミニオンが場にいる前提の《冷血》が少し気になります。〈迅速なる襲撃〉を取るデッキは盤面戦を前提としていないことが多いためかなりの頻度で腐ります。何なら全呪文をピックしても腐るスペルなのであまり採用したくありません。しかし、前述の通りバケット汚染を引き起こさないという点がリリアンにとっては何よりも大きな評価点になることに加えて《ブラックウォーター・カトラス》自体が強いのでピックの優先度は高めです。
右の報酬に関しては文句なしです。軽量火力呪文が魅力的な〈迅速バケット〉に欲しいカードのみで構成されています。取り得です。
パァァァレイ
バケット:盗癖
全く期待をしていなかったカード。全く期待をしていないバケットに入りました。
現在はどちらもピックする意味がありません。南無三。
バケット:迅速なる襲撃
予想に反して〈迅速なる襲撃バケット〉に所属していました。
低コスト呪文の多い〈迅速バケット〉とはとても相性が良いため珍しく良いところに収まったなという感じがします。
ただ、この報酬は《SI:7の強要》が入っているためバケット汚染が発生するという重大な欠点があります。〈SI:7バケット〉はSI:7シナジー前提のカードが多く含まれているのでバケット汚染は〈コンボバケット〉と同じくらい深刻です。
カードパワーは3枚とも高いのでバケット固定を考えないデッキであればピック、バケット固定を考えるのであればスルーという判断になりそうです。
《ブラックウォーター・カトラス》の報酬追加で当たり報酬が増えました。
バケット固定率が上がりました。45%→57%(全ての報酬が均一の確率で提示されると仮定)
12%は結構大きいですね。
ハズレカードとの抱き合わせですが当たりカードの入ってる報酬が増えました。しかし、依然として強盗シナジーを活かしたリリアンのデッキの構築は困難です。
新規報酬に強力なテンポスウィング要素を持つ《最下層の故買屋》や《イセリアルの売人》が追加されたことによりどちらかと言えば当たりの報酬は増えました。しかし、初期デッキに《最下層の故買屋》や《血の復讐》といったスタンダードフォーマットで【強盗ローグ】を後押ししたカードを入れられないため【強盗リリアン】はバケット汚染云々以前にパワー不足です。この2枚を初期デッキに入れられない間は〈盗癖バケット〉を利用したデッキには期待できません。
【11月16日追記】新規報酬の追加により《黒曜石の破片》がバケット無所属から〈盗癖バケット〉へ移動したことを確認しました。
バケット固定の難易度が非常に上がり、バケット固定を利用した【SI:7ローグ】はデッキとして機能しなくなりました。
ver21.6以前は〈SI:7バケット〉と他バケットに跨って所属しているカードは《SI:7諜報員》のみでした。現在確認出来ている〈SI:7バケット〉の報酬の組み合わせは9通り、そのうち2通りだけが《SI:7諜報員》の入っているバケット汚染報酬だったので、【SI:7ローグ】は比較的バケット汚染を起こし辛い分類のデッキでした。しかし、「デッドマイン」からの新規報酬として先程挙げた[《SI:7の強要》《締殺ワイヤー》《デファイアスの親玉エドウィン》]の報酬セットが追加されたため《SI:7の強要》が〈迅速なる襲撃バケット〉にも所属することになり、バケット汚染をする可能性がかなり高くなりました。〈SI:7バケット〉の中でバケット汚染をする《SI:7諜報員》か《SI:7の強要》を含む報酬は9通り中5通り。5/9の確率でバケット汚染が起きてしまうのでは到底安定しているとは言えません。カジュアルで遊ぶことさえ難しいレベルまで落ちたと思います。
【SI:7ローグ】は21.6環境以前にしっかりとした結果を残せていなかったので、勝率という面で捉えるとどうでも良いことなんですけど、他のクラスが連続クエストの採用を検討している中でクエストデッキの可能性を失ってしまったのは悲しいですね。
あれ?そういえば…
スクリーンショットはありませんがカジュアルで結果出してました。
とはいえツイートにもある通り《中庸の極み》が強かっただけだと思います。
何考えて握ったんですかねこの人…。
パッシブお宝のバランス調整
※リリアンでの視点です。
※ピックしてない物はピックした際に追記しようと思っています。意気込みだけかもしれません。
プール移動組
《驚異の書》
★★★☆☆
プール移動後も初めのうちは選択していませんでしたが、なえぎさんが「実質0マナヨグボのようなもの」と言っていたのを見て考えを改めて取ってみたところまぁまぁ強かったです。なえぎさんの言う通り体感は《ヨグ・サロンのパズル・ボックス》であり上振れすることもあればデメリットとなることもあるので安定はしませんが、シナジーの薄いパッシブを取るよりかはよっぽど良いです。
他クラスではパッシブ1《驚異の書》12勝の報告も出ていますがリリアンでシナジーのないパッシブを抱えて12勝するのは難しいと思うので7勝アベレージへのサポートと考えるのが丁度良いと思います。
《共食い》
☆☆☆☆☆
取ってません。多分これからも取りません。
プール移動+調整組
《底なし沼に浮かぶもの》
☆☆☆☆☆
取ってません。多分これからも取りません。
《みんな一緒に!》
★☆☆☆☆
2マナのコスト制限が厳しいです。コスト減を活かせるメジャーなカードが《デファイアスの親玉エドウィン》や《ロウゼブ》くらいしかありません。
スペル軸のデッキを使っている際に《洞窟のキラキラ拾い》や《デファイアスの親玉エドウィン》といった僅か1枚2枚程度の雄叫びミニオンに反応してシナジーパッシブとして提示されることが結構多いです。パッシブ1に取りたい呪文シナジーパッシブが多い【スペルリリアン】にとってはパッシブ2からの降格は逆風です。
《戦力結集》
★☆☆☆☆
評価が低い理由は《みんな一緒に!》と大体同じです。ナーフ前は雄叫び+武器の構築でデッキを掘り進めて武器バフカードを探すことも出来ましたが、コスト制限が付いたので場にミニオンを置く行為がただのテンポロスになりました。これまた雄叫び1枚2枚に反応してシナジーパッシブとして提示されることがあるので嫌な感じです。
《活力のエリクサー》
☆☆☆☆☆
取ってません。多分これからも取りません。
《おっと、全部呪文!》
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
最強。お前が優勝だ。
パッシブ1リメイク組
《ベルトポーチ》
★★★★☆
デッキに1枚しか入れられない愛用の宝物の掘り当てのサポートとなるため、デッキのコアとなりやすい《必殺武器Ⅰ》や《必勝の切り札》を使用するデッキタイプでは特に優秀です。ドロー枚数が1枚から2枚へ変更された影響は大きかったように感じます。
《永遠変化のエリクサー》
★★★★☆
スペル軸のリリアン前提での評価です。このパッシブと同時にスペルシナジーのパッシブ1が提示されている場合はそちらが優先されますが、他のパッシブがあまり有効とは考えられない場合かなり優先度の高い選択肢になります。
このパッシブ1枚のお陰で全呪文の恩恵を前提にスペルのみで評価点を決めていた報酬をミニオンを含めた評価をできるようになり、報酬の受け幅が非常に大きくなります。スペル軸な以上、全呪文をピックしないという選択肢はありませんが、全呪文が提示されなかったときはこのパッシブを活かしてなるべく勝ち数を伸ばしたいです。
《戦場稼ぎ》
★★★☆☆
シナジーパッシブとして表示されるのが嫌過ぎます。スペルと強いシナジーを持つ《ブラックウォーター・カトラス》を初期デッキに入れるのを躊躇するのはこのパッシブが原因の10割です。
基本はデッキに合ったシナジーパッシブを取りますが、シナジーパッシブが表示されなかったときの妥協のパッシブとしては悪くない選択肢です。この評価の理由は1コスト武器の耐久度にあります。ヒロパのダガーが割れた際に装備される1コストの武器の約7割が耐久度3を保持しているので毒を塗った際の恩恵がヒロパのダガーよりも大きくなります。中でも《ライツ・ジャスティス》・《砥石の手斧》・《知慧の宝珠》の3種は耐久値4を持っているので勿体ぶらずに毒を塗りまくれます。また、21.6パッチのリメイクにより武器に攻撃力+1が付与されるようになったため、《革細工キット》や《プリズム宝石細工キット》、《トゲトゲの車輪》といった攻撃力のない武器にも振るだけではありますが活用方法が出来たのもこの評価を後押ししています。
ただし、繰り返しになりますが、あくまでも妥協の選択肢でありシナジーパッシブが同時に提示された場合は各デッキのシナジーを優先するべきです。
《溶岩まみれの地面》
☆☆☆☆☆
取ってません。多分これからも取りません。
《グロマッシュの腕当て》
★★★★★
初期デッキに武器が入ってなくても取ります。その際は報酬から《大逆の刃キングスベイン》か《自己研鑽の刃》を探すか、お宝の武器を取ります。それくらい1枚圧縮は強いです。
《大御所》
★☆☆☆☆
取りました。【スペルリリアン】では案の定弱かったです。実質パッシブ1無しで戦っているようなものです。
ただ、これはデッキタイプとの相性の問題で【ディスクリリアン】のようなレジェンドミニオンが多く入ったデッキが確立されたら強そうですね。そもそも【ディスクリリアン】が弱そうですけど。
パッシブ2リメイク組
《ハガサの抱擁》
★☆☆☆☆
取りました。弱くはないのですが、パッシブ2にはミニオン軸のサポートとして《闘争のトーテム》や《戦力結集》といった強力なパッシブがすでに存在しているため、優先的にピックされることは少なさそうです。リリアンのミニオン軸は《影隠れ》や《赤煙のテンウー》、《幻影ポーション》などのカードを使い、強力な雄叫びやコンボを持つミニオンを再利用して戦うのが主流なのでバフされたところですぐにバフが剝がれてしまいます…。
《暴露のオーブ》
☆☆☆☆☆
取ってません。多分これからも取りません。
《穢れたフェル石》
一生リリアンで出て来るな。
《レジェンド戦利品》
★★★★☆
能動的に武器を割りにいけるのはリリアンだけの特権。丁度良い塩梅で《アルネス》を割ったり《世界樹の小枝》で不正をするのが気持ち良いです。
事前評価予想ではハズレが《ドラゴンソウル》と《マナアリの髑髏》と書きましたが、《レジェンド戦利品》がパッシブ2という前提のもと考えると継続的なメリットとなり辛い《ロークデラー》も微妙でした。逆に《ドラゴンソウル》は事前評価予想から手のひら返して可能性を感じています。まだ実践で発見できたことがありません。
《中庸の極み》
★☆☆☆☆
現在のリリアンはミニオン軸が主流ではないためあまり高く評価はできません。パッチ21.6でコスト下限が追加されてからは数に任せた人海戦術も不可能になったため、ミニオン軸であったとしても思考停止で取るようなパッシブ2ではなくなりましたように感じました。
《地獄に道連れ》
☆☆☆☆☆
取ってません。断末魔はバケゴミなので多分これからも取りません。
現状リリアンのベストなデッキ
【スペルリリアン】
デッキコード
AAEBAaIHD70EiAff4wKqywP31APi3QOp6wOs6wOu6wOO9AOh9APtgASSnwSUnwT3nwQAAA==
Kwareonさんが作成し使用したリスト。
全く同じリストで12勝報告が4件もある化け物リストです。ラトルゴアやイルシアではよくあるのかもしれませんが、12勝報告が少ないリリアンでこれは化け物です。
そのうち1件は《必勝の切り札》を《必殺武器Ⅰ》に変更しています。現在は《必勝の切り札》の方が報告回数が多いので、試しに握るなら《必勝の切り札》を選ぶ方が無難だと思います。
自分は《必勝の切り札》しか使ったことがなかったのですが、今度は《必殺武器Ⅰ》を入れて上手く回れば追々報告出来たらいいなと思っています(絶対しないパターン)。
ちょっとしたガイド(必勝の切り札)
まずローグの得意とするドローでとにかくデッキを掘り起こして《必勝の切り札》を見つけます。準備が整い次第、手札に抱えた大量の火力スペルを全て相手の顔面に打ち込み、次のターンに《必勝の切り札》で先ほどのターンに打ち込んだ火力スペルを全て回収してもう一度打ち直します。《段取り》を持つローグ特有の芸当ですね。
火力スペルを相手のミニオンの除去に使うのは《鎧職人》や《積荷当番》、生命奪取ミニオンといった継続的に装甲確保や回復が出来るミニオンがいる場合のみです。たとえ4/7/7が出ようとも巨人が並ぼうとも無視します。《アイスブロック》がBANされている今、最強の無敵スペルである《雲隠れ》と《影纏い》で凌ぎましょう。
もし序盤から詰めの早いヒーローやバーストを出すヒーローが相手であった場合は無敵スペルの使いまわしも視野に入れておきましょう。
気を付けたいのが対面スペル軸と当たったとき、《影纏い》が役に立たなくなるときがあるという点。こちらが隠れ身状態でも《精神首網》や《ファイアシェイパー》はしっかり体力を削っていきます。相手によって《雲隠れ》と《影纏い》、どちらが防御手段として優れた選択肢なのかしっかりと考えておくことが必要です。
《雲隠れ》…小刻みなクロックダメージに強く、対象を取るバーストに弱い。
《影纏い》…対象を取る効果全般に強く、対象を取らない効果全般に弱い。
相性の良いパッシブ1
《弟子のローブ》…12勝4件中2件がこのパッシブを使用しています。スペル数で勝負するデッキなので最も相性が良いです。
《縮小のローブ》…12勝4件中1件がこのパッシブを使用しています。《秘密の通路》では効果が誘発しないことに注意が必要です。
《ファイアシェイパー》…スペル軸最強格パッシブなので相性は良いはずですが12勝報告はありません。ただ、強いことに間違いはないと思います。
相性の良いパッシブ2
《おっと、全部呪文!》…12勝4件中3件がこのパッシブを使用しています。優勝。
《̚カドガーの占術用オーブ》…妥協案。7勝のアベレージを目指しましょう。
12勝時のパッシブ組み合わせ
《弟子のローブ》+《おっと、全部呪文!》2件
《縮小のローブ》+《おっと、全部呪文!》1件
《ベルトポーチ》+《パーティの新メンバー》(+《ワックス・レイジャー》)1件
終わりに
レートを考えると今期もリリアンは握らない方が良いと思います!
残念!Tier D!
二度と顔を見せるな!
参考12勝報告